日立ハイテクは,熱分析装置「NEXTA DSC」シリーズのオプションとして装置上部に設置する「偏光顕微観察オプション」を発売した(ニュースリリース)。
熱分析装置は,産業分野を中心に基礎研究から製品開発,品質管理など幅広く各種材料の分析に活用されており,このシリーズは,物質を加熱した際の結晶が生成される温度や融解する温度などを測定する。
食品の梱包や電子機器のディスプレーなどに使用される機能性フィルム分野においては,高い機能を発揮するためにフィルム表面の平滑性を確保する低フィッシュアイ(小さな球状の塊)化や,酸素や水蒸気など気体の遮断性を高め梱包した物体の品質を保証するためのガスバリア性を向上する複層フィルムの開発が求められている。
フィッシュアイ低減を目的とした製造工程改善箇所の絞り込みや,複層フィルムの開発段階における融点分析,結晶配向などの基礎的な研究の高精度化・効率化対してDSCシリーズの活用ニーズが高まっているという。
このオプションでは20メガピクセルの高解像カメラを採用し,従来比10倍の高解像度および50倍のデジタルズームの対応を実現した。これによりフィッシュアイをはじめとした微小領域の観察を可能にしたとする。
また,新たに開発した独自の画像処理機能によって,これまで同シリーズだけでは検出が難しかった微小領域の融点解析を実現した。また,偏光調整ユニットで測定対象箇所を鮮明化させた後は,従来同様の簡単な操作で,フィッシュアイや複層フィルムの層ごとの融点解析を行なうことができるとしている。