三井化学とimecは,2023年12月13日,極端紫外線(EUV)露光用のカーボンナノチューブ(CNT)膜を使用した次世代ペリクルの事業化に向けた戦略的パートナーシップ契約を締結した(ニュースリリース)。
この戦略的パートナーシップ契約はCNT膜とペリクルを共同開発するもので,imecは三井化学での事業化に向けたコンサルテーションとEUV露光機での評価を行なう。
これらのペリクルは,EUV露光中の汚染からフォトマスクを保護するように設計され,高いEUV透過率(≧94%),非常に低いEUV反射率等の優れた光学特性,先端半導体製造における高い歩留まりとスループットに不可欠な特性を有する。
さらに,CNTペリクルは1kWを超えるEUV露光出力にも耐えられるため,蘭ASMLの露光機革新のロードマップにある次世代EUV露光機(>600W)にも対応する。これらの特性は,EUV露光機を量産プロセスで採用する企業から高い関心を集めているといい,両社は,先端半導体市場の要求を満たすためにCNTペリクルを共同開発していく。
三井化学はこの提携により,自社のCNTペリクル技術とimecのCNTペリクル基盤技術を融合させ,2025年~2026年をターゲットに,高出力EUV露光向け製品の導入を目指すとしている。