光技術総合展示会「光とレーザーの科学技術フェア2023」(11月7日~9日 パシフィコ横浜)において,東栄電化工業(赤外線フェア R-04)は,アルマイトによる赤外線低反射版素材の展示およびデモを行なっている。
アルマイトはアルミニウムに酸化被膜を施した素材で,アルミニウムの表面保護として長きにわたり多種多様な製品で使われてきた。同社はこのアルマイト加工において長い歴史を持ち,様々な色や表面仕上げを施す技術を持っている。
同社が今回展示する赤外吸収アルマイト「TAF TR SBK」は,可視光~<2500nmの広範囲な波長域において10~30%という低い反射率が特長の素材となっている。アルマイトは表面がハニカム構造となっており,通常の赤外反射防止染料はこの構造に入り込めないというが,同社は独自の材料と染色技法によりこの製品を実現した。
素材がアルミであるため寸法精度が高く,高温に強い(200℃/5h),メッキでは困難だったアスペクト比の高い素材への加工が可能,極小(2mm角の実績有)または大型(500×500×300mmの実績有)素材への加工が可能,機械的強度が高くダストが出にくいといった特長がある。
同社では今回,さらに赤外域での反射防止性能を高めた開発品3種を持ち込んでデモを行なっている。特に最新の開発品は2500nmにおいて反射率5%以下という高い性能を実現しており,同社では赤外線カメラやLiDARといった赤外線応用装置での乱反射や迷光の防止といった応用を狙っている。