八光オートメーションは,工業用フィルムの微小なうねりを高速に検査可能な卓上検査装置を販売開始すると発表した(ニュースリリース)。
工業用フィルムは,日本の産業において極めて重要な役割を果たしている。スマートフォンのディスプレーに使用される光学フィルムから,電子部品の製造に不可欠な基材フィルムまで,その用途は多岐にわたる。
近年,資源の効率的な利用と環境への配慮から,工業用フィルムの薄膜化が進展している。しかし,薄膜化に伴い,フィルムの表面に微小なうねりが発生しやすくなり,これが最終製品の品質に影響を及ぼすことが課題となっている。さらに,問題となるうねりは非常に微細で,数十μmのスケールで発生するため,従来の手法では定量的な計測が難しい状況だった。
このため,同社は工業用フィルムの微小なうねりを短時間で可視化し,効率的に検査するための新しい装置を開発した。この装置を使用する際には,検査したいフィルムを検査ステージにセットし,計測ヘッドでフィルム全体をスキャンする。
このスキャン作業は数秒で完了し,その結果は曲率カラーコンターで視覚化される。これにより,特別な技術や知識を必要とせず,誰でも簡単にフィルムの微小なうねりを視覚的に確認でき,Z=10μm以上の面歪を検出可能だとする。
同社は,この装置により,工業用フィルムの品質管理と製造プロセスの向上が実現するとしている。