島津,X線検査装置の直交CT撮影オプションを発売

島津製作所は,7月19日にマイクロフォーカスX線検査装置「Xslicer(エックススライサー) SMX-6010」でVCT(直交CT)撮影を可能にする「VCTオプション」を発売した(ニュースリリース)。「Xslicer SMX-6010」の希望販売価格は5,635万円(税別),「VCTオプション」は580万円(税別)。

近年,電機・電子部品の微細化・多層化に伴い,微小な範囲を正確かつ簡単に観察するCT撮影が求められている。

マイクロフォーカスX線検査装置は,X線発生装置と検出器の間に設置したワークにX線を照射することで,ワーク内部の非破壊での観察・撮影を実現する。2次元の透視画像を観察する透視撮影と,コンピューター処理により3次元で内部構造を観察するPCTやVCTなどのCT撮影を用途に応じて選択できる。

「Xslicer SMX-6010」は透視撮影に加え,複雑な手順を必要とせず断面画像が得られるPCT(斜めCT)撮影の機能を標準搭載している。VCTは,回転する検査対象物(ワーク)に対して垂直にX線を照射して,鮮明な断面画像を取得する撮影手法で,今回発売する「VCTオプション」により,従来の透視・PCT撮影に加えVCT撮影が可能となり,基板部品や電機・電子部品などの品質管理や故障解析を幅広くサポートする。

また,この装置は観察位置の調整を容易にする,位置調整用電動XYステージを搭載。電動XYステージが搭載されていない場合,手作業によるワークの取付け/取外しによる観察位置の調整作業が何度も発生するが,電動XYステージを搭載したこの装置のVCTオプションでは,ソフトウェア上の直感的な操作で観察位置を調整できるため,ワーク取付け後すぐに,微小な部分を正確に観察できるという。

さらに,100×150mm,200gまでのワークを検査可能で,装置の本体の高分解能により,3ミクロンまで分解可能。基板部品や電機・電子部品などの故障解析に適した仕様で,ミクロン単位でのCT観察を実現するとしている。

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