ソニーは,実在感のある立体映像(3DCG)を裸眼で見られる,27型の空間再現ディスプレー「ELF-SR2」を2023年6月12日より発売すると発表した(ニュースリリース)。価格はオープン。
この製品は大画面化により,立体映像を見る際の没入感が高まるだけなく,3DCGデータの細部の確認が容易になり,コンテンツ制作の品質向上に貢献する。また,原寸大表示が可能になる分野が広がり,インダストリアルデザインでは実物と比較しながらデザインレビューができ,医療教育分野では人体構造を原寸大で確認できるなど実用性を高めているという。
また,超解像エンジン搭載により,大画面においても高精細な立体映像再現が可能。4K映像を高精細に表示するだけでなく,2K映像も4K映像にアップコンバートして再生できる。水面や細い木の枝といった自然物を含む様々な被写体に発生する色モアレ(偽色)補正や裸眼立体視でおきるクロストークを低減する処理を追加しており,細部や線をよりはっきりと正確に表示する。
さらに,Adobe RGBの色域を約100%カバーし,高い色再現を実現。3DCGコンテンツのクリエイターが使用する2D用モニターと併用しても違和感のない色再現が可能となる。
加えて,視線認識精度および追従性能が向上し,薄暗い環境でも画面を見る人の視線を正確にとらえ続けるという。大画面化にあわせたレンズ設計により広い視野角を実現し,画面の幅で顔を振って見る角度を変えても自然で快適な立体映像体験を提供するとしている。
この製品はスタンド部分が着脱でき,展示用什器などへのはめ込みが可能。VESAマウント規格にも対応しており,一般的なモニターアームに取り付けることもできる。従来PC側で行なっていた視線認識処理をディスプレー側で行なうため,PCのCPUへの負荷を低減しており,ゲーミングノートPCなどと接続して本機を駆動させることも可能だという。
同社はこの製品の発売に合わせて,空間再現ディスプレー用のアプリを簡単に検索できるサイト「空間再現ディスプレー アプリセレクト」を開設。このサイトでは,様々な業務用途の対応アプリと,その活用方法や実用事例を紹介し,空間再現ディスプレーを導入しやすい環境を提供するとし,今後,多様な業界のクリエイターによる対応アプリや実用事例を順次追加し,拡充していく予定だという。