エビデント(旧オリンパス科学事業)は,世界初のレーザー顕微鏡およびデジタルマイクロスコープによる寸法測定において,日本適合性認定協会(JAB)から試験や校正の技術的能力があると国際的に認められた施設に与えられるISO/IEC 17025の認定を2023年4月4日付けで取得したと発表した(ニュースリリース)。
ISO/IEC 17025「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」とは,品質システムISO 9001が要求する品質マネジメントシステムの運用・管理上の要求事項に加え,試験所・校正機関としての技術的な適格性と能力を証明するもの。認定された校正の結果は,国際的に受け入れられるとする。
近年,製造の現場では,製品の高機能化・高性能化が進み,品質向上のため,部品などの寸法測定においては,測定システムメーカー独自の保証ではなく,ISO/IEC 17025認定を受けた校正事業者により校正された測定システムを用いることが求められているという。また,自動車産業,医療機器業界をはじめ,品質の安定・改善のために,品質マネジメントシステムの国際規格の認証が普及し,その中でトレーサビリティの確保やISO/IEC17025校正が求められているとしている。
今回ISO/IEC 17025認定を取得したのは,3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS5100」およびデジタルマイクロスコープ「DSX1000」による,寸法測定の校正機関としての認定だという。
「LEXT OLS5100」は,サンプルの表面をレーザー光でスキャンすることにより微細形状の拡大観察や,表面粗さ,段差などの形状測定が可能な測定機で,サンプルとの接触により形状を取得する触針式粗さ測定機では測定が難しいフィルムなどの柔らかいサンプルを非接触かつ大気中で,三次元で測定する測定器として電子部品,半導体業界,自動車業界の研究開発や品質検査に携わるユーザーに利用されている。
また,「DSXシリーズ」は,高い信頼性とデジタル技術による直感的な操作を両立した製品で,電子部品や金属材料など,さまざまなサンプルの観察や計測に用いられているといい,高度な専門知識を身に付けたり,複雑な操作を覚えたりしなくても,サンプルを置くだけで3D観察から測定,レポート作成までの一連の操作が可能だとしている。
今回の認定により,同社がJABより認定された範囲で校正を行なったときは,国家計量標準にトレーサブルであることを意味する認定シンボル付き校正証明書を発行することができるようになるという。