東芝ライテックは，紫外線（UV）照射器を搭載したドローン（UV搭載ドローン）を用いた実証実験を2023年3月16日，今治市公会堂において実施したと発表した（ニュースリリース）。

新型コロナウイルス感染症の拡大により，人々の衛生意識は大きく変化し，不特定多数の人が触れる場所の除菌・消毒が当たり前になった。多くの施設では人による消毒作業が行なわれ，特に劇場やスタジアムなど大勢の人々を収容する施設では，除菌のための時間やコストがかかること，人手による作業ではムラがあること，更には人材確保など課題を抱えている。

同社は，長年培ったUV技術を応用したUVライティング事業として，表面除菌や空気除菌，水処理など様々な分野で製品を展開しており，現在，この事業領域の拡大を視野に，新たな用途開発を進めている。

今回の実証実験は，今治市近未来技術実証ワンストップセンター，ドローンを活用したソリューションを提供するDRONE PILOT AGENCYと協力し，UV搭載ドローンによる除菌サービスの実現可能性を検証するため実施した。実験では，ドローンによるUV照射飛行によって，座席表面に対する除菌の有効性を確認した。

実証実験の結果，UV照射をした場合，座席表面の菌を平均67%（51～85%）除菌できることを確認した（実験では枯草菌を使用。新型コロナウイルスの場合，99%以上が抑制される見込み）。

同社では，除菌可能なUV技術と，近年，急成長するドローン技術を組み合わせることで，除菌作業の省人化の実現を目指す。今回の検証は，実現化に向けた取り組みの第一歩として，実際の劇場におけるUV搭載ドローンを活用した除菌効果の実証実験だとしている。