富士キメラ総研は,米中貿易摩擦に起因した一部の先端半導体デバイスや製造装置に対する中国への出荷規制などサプライチェーンの問題が顕在化する中,データセンターや5G通信,ADAS・自動運転での高速処理ニーズを背景に,微細化や高集積化が進みニーズが高まる先端/注目半導体市場を調査し,その結果を「2023 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた(ニュースリリース)。
それによると,先端/注目半導体デバイス13品目(・CPU(PC向け・サーバー向け)・モバイル機器用 ・MRAM ・GPU アプリケーションプロセッサー ・イメージセンサー ・FPGA ・車載SoC・FPGA ・IGBT ・サーバー向けアクセラレーター ・DRAM ・パワーMOSFET ・イーサーネットスイッチチップ ・NAND)の世界市場は,2022年はリモートワークの普及などに起因するセット機器需要が急拡大した前年の反動を受けてPC向けの需要が大幅に減少しているという。
一方,サーバー向けアクセラレーターやイーサーネットスイッチチップ,MRAM(磁気抵抗メモリー)などデータセンターや,車載SoC・FPGA,IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などEVに用いられるデバイスで前年比29%以上の伸長を予想し,市場は微増するとみる。
今後は,各種クラウドサービスの普及や高品質化を支えるデータセンターの需要増加に伴って,サーバー向けが増えることから,2028年の市場は2021年比41.5%増を予測する。また,EVやADAS・自動運転など高度な電装システムにおける需要増加も市場拡大に貢献するとみている。
半導体関連装置6品目(・露光装置 ・CMP装置 ・モールディング装置・エッチング装置 ・ウエハーエッジ検査装置 ・フリップチップボンダー)の2022年世界市場は,市場の4割を占める露光装置がメモリーやアナログデバイス,パワーデバイス,センサーなど多様なデバイスで需要が増えており,伸長しているという。また,前年の需要急増を背景とした受注残分の出荷がずれ込んだことから,モールディング装置やフリップチップボンダーなどが伸びているため,市場拡大したという。
2024年以降は,大手IDM(垂直統合型デバイスメーカー)やファウンドリーの生産能力増強が進むとみており,2028年の市場は,2021年比92.2%増の8兆4,280億円を予測している。