富士キメラ総研は,データセンタービジネス市場を調査し,その結果を「データセンタービジネス市場調査総覧 2023年版 市場編/ベンダー戦略編」にまとめた(ニュースリリース)。
それによると,データセンターサービスの市場は,クラウドサービスの利用が増加し,基盤となるデータセンターの新規開発ニーズが増すことで拡大し,2027年には4兆4,600億円になると予測する。IaaS/PaaSやその他に含まれるSaaS/DaaSなどが市場をけん引するという。
各調査市場のうち通信回線サービスは,ユーザー拠点向けデータセンター接続サービス,データセンター構内接続サービス,データセンター間接続サービスの3つを対象とした。ハイパースケールデータセンターを中心にセンター数が増加したことやIX/クラウドサービスのアクセスポイントとの接続需要の増加,トラフィック増強需要の増加などにより市場は拡大しているという。
今後はデータセンターの新設や事業者間の協業に伴うデータセンター間接続サービスの利用増加に加え,IXやクラウドサービス,ISP/Webコンテンツプロバイダーとの接続ニーズの高まりなどにより市場拡大が予想されるという。
ハイパースケールデータセンターはメガクラウドサービスの需要拡大に伴って開発が進んでおり,2022年は前年に新設された複数の施設が稼働したことにより稼働ラックが増加するとみている。
2027年の総ラック数は27万ラック以上に上り,稼働ラック数も約20万ラックとなると予測。DXをキーワードとしたIT投資は拡大していくとみており,その基盤となるクラウドサービス市場を下支えするハイパーデータセンターの需要は増加することが予想され,今後新設のデータセンターはハイパースケールデータセンターが中心になっていくとしている。