2022年度光産業出荷額,12兆6,426億円に成長

光産業技術振興協会は,2022年度光産業全出荷額,国内生産額調査結果について調査結果をまとめた。この調査は同協会が1980年以来,毎年光産業の動向調査を実施しているもので,会員企業201社に対して調査票を発送して82社から回答を得たほか,各関連業界団体および調査会社の協力を得て作成した。

それによると,2021年度全出荷額(実績)は11兆6,497億円,成長率+0.3%,2021年度国内生産額(実績)は5兆8,420億円,成長率▲0.2%となった。 

入出力分野は,2020年度の反動などからイメージセンサ,撮像機器などが回復し,全出荷・国内生産ともに大幅増加となった。半導体,自動車関連などを中心とした設備投資の回復に伴い,レーザー・光加工分野は,全出荷・国内生産ともに大幅に増加,センシング・計測分野は,光センシング機器を中心に全出荷・国内生産ともにやや増加となった。

ディスプレー・固体照明分野は,LED照明器具の2020年度減少からの回復,マイナス成長が続いていたディスプレー素子が5G端末向けなどの需要増加に伴って増加し,全体として全出荷・国内生産ともにやや増加となった。情報通信分野は,5Gシステム及びデータセンタ関連の需要増加を背景に,光ファイバ,光コネクタなどは好調だが,光デバイスは半導体などの部品供給不足の影響により減少するため,全出荷・国内生産ともに横ばいとなった。

情報記録分野は民生用の需要減少が継続し,全出荷・国内生産ともに減少した。太陽光発電分野は,パワー半導体などの供給不足の影響から全出荷・国内生産ともに減少した。光産業全体として回復基調ではあるものの,COVID-19感染拡大に伴う部品供給不足などの影響もあり,全出荷・国内生産ともに横ばいとなった。

また,2022年度全出荷額(見込)は12兆6,426億円,成長率+8.5%,2022年度国内生産額(見込)は6兆2,059億円,成長率+6.2%となった。

入出力分野は,車載向けなどのイメージセンサの需要増加,価格の高いミラーレス一眼デジタルカメラの需要増加,サテライトオフィス向けなどのプリンタ・複合機の需要増加により,全出荷・国内生産ともに大幅増加の見込み。半導体,自動車関連などを中心とした設備投資の増加に伴い,レーザー・光加工分野は,引き続き全出荷・国内生産ともに増加する見込み。

センシング・計測分野は,前年度と同様に全出荷・国内生産ともにやや増加となる見込み。情報記録分野は,ゲーム機向けの再生専用装置の需要増加により,全出荷・国内生産ともに増加する見込み。太陽光発電分野は,導入拡大の政策強化と価格下げ止まりの傾向により,全出荷・国内生産ともに増加の見込み。

情報通信分野は,5Gシステム及びデータセンタ関連の需要増加に加え,半導体などの部品供給不足が解消され,光伝送機器・装置は増加,光ファイバなどの部品類も好調で,全出荷・国内生産ともに増加の見込み。ディスプレー・固体照明分野は,フラットパネルディスプレー,LED照明器具などは好調だが,ディスプレー素子が減少し,全体として全出荷・国内生産ともに横ばいの見込み。光産業全体として,部品供給不足などの影響が緩和され,全出荷・国内生産ともに増加となる見込みだとする。

さらに,2023年度全出荷(予測)および2023年度国内生産(予測)は横ばいとした。

入出力分野は,イメージセンサ,撮像機器,プリンタ・複合機の需要増加などから,全出荷やや増加,国内生産横ばいと予測。レーザー・光加工及びセンシング・計測分野は,半導体,自動車関連などを中心とした設備投資を背景に全出荷・国内生産ともにやや増加と予測する。

情報通信分野は,5Gシステム及びデータセンタ関連の投資が継続し,全出荷・国内生産ともに横ばいと予測。情報記録分野は、ゲーム機向け再生専用装置の需要が継続し、全出荷横ばいと予測している。ディスプレイ・固体照明は、LED照明器具が堅調だが、他は好材料が乏しく、全出荷横ばい、国内生産やや増加と予測している。太陽光発電分野は、導入拡大への政策が継続し、全出荷・国内生産ともに横ばいと予測している。光産業全体では全出荷・国内生産ともに横ばいと予測した。

なお,今回の調査結果の詳細は2023年4月19日からパシフィコ横浜で開催される光技術総合展示会OPIEに併設した「光技術動向・光産業動向セミナー」で語られる予定で,月刊オプトロニクス5月号にも掲載するので参照されたい。

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