2027年,ウェアラブル/ヘルスケア市場は1兆円超に

著者: sugi

富士キメラ総研は,高齢化社会の進展やオンライン診療の普及などにより需要が増加し,新たなサービス・ソリューションが登場していることから大きく拡大している,ウェアラブル/ヘルスケア関連市場を調査し,その結果を「ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2023」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,ウェアラブル/ヘルスケア関連機器,システム・サービスの国内市場のうち機器は,新型コロナに伴う特需で伸びた体温計やパルスオキシメーターなどがその反動から需要が減少している。

一方,スマートウォッチやBtoBのAR/VRニーズが増えているスマートグラス/HMD,音楽鑑賞に加えバイタルデータ取得が可能な製品が増えているヒアラブルデバイスなどが成長し,市場拡大をけん引しているという。今後は,ベッドシート型センサー,パワーアシストスーツといった高齢者向け機器などが,補助金の効果もあり需要増加が予想され,市場は拡大するとみる。

システム・サービスは,BtoC向けはバイタルデータの収集が可能なウェアラブル端末の普及が進んでいることや,健康意識の高まりから需要が増えているとする。BtoB向けは企業の健康経営意識の高まりから従業員向けの健康管理ビジネスが成長しているという。

また,オンライン診療や服薬指導など新たなサービスの需要増加や,補助金の後押しにより介護関連のシステム・サービス需要関連が堅調であることから,2022年の市場は拡大を予想する。今後は,高齢者人口の増加や核家族化に伴う,家族の安全/安心への配慮ニーズにより,高齢者見守りサービスや介護支援システムが堅調に伸びると予想する。

また,PHR関連システム,オンライン医療ソリューションなどBtoB向けが大幅に伸びるとともに,新たながん検査の登場により簡易検査サービスの利用増加も期待されるという。

カテゴリー別にみると,介護関連は,家庭向けで市場規模の大きい高齢者見守りサービスが伸びている。介護施設向けではIT補助金が継続的に支給されていることから,業務効率化につながる介護支援システムの需要が高まっており,スマートフォンやタブレット端末、ベッドシート型センサーを組み合わせた販売が増えているという。今後もパワーアシストスーツや歩行/姿勢解析サービスの伸びが期待され,市場は拡大が続くと予想する。

健康管理/増進は,BtoC向けに展開する健康管理支援サービスの有料会員が増えていることに加え,健康意識の高まりからアレルギー可視化ソリューションや,スマートウェア,スマートシューズといった,健康維持のためにバイタルデータ取得を可能とする製品の需要が増加しているという。

医療関連は,新型コロナの感染拡大を契機に利用が増えたオンライン医療ソリューションと,新型コロナの重症化リスクが検査できるDTC遺伝子検査サービス,また,線虫によるがん検査が開始され利用が急増している簡易検査サービスが好調な一方,新型コロナ流行による特需の反動で需要が減少している機器が多く,今後も機器の伸びは鈍化するとみている。

ヘルスケア周辺機器は,ウェアラブル端末が中心で,ヘルスケア以外の用途を目的に購入されることも多い。機能向上により実用的な時計としての活用が増えているスマートウォッチに加え,AR/VRコンテンツの増加,メタバースといった新たな概念の登場によって需要が増加するスマートグラス/HMDが今後もけん引することで,2027年にかけて市場は大幅に拡大すると予想いている。

キーワード:

関連記事

  • 車載ディスプレー市場、2025年の出荷量は2億602万枚と予測

    矢野経済研究所は、車載ディスプレー世界市場を調査し、タイプ別や部位別、インチ別の市場動向、メーカー動向、価格動向、将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。 それによると、2024年の車載ディスプレー世界出荷量(純正品…

    2025.11.12
  • 2025年第3四半期のシリコンウエハー出荷面積、3.1%増の33億1,300万平方インチ

    米SEMIは11月4日(米国時間)、2025年第3四半期(歴年)の世界シリコンウエハー出荷面積が前年同期の32億1,400万平方インチと比較して、3.1%増の33億1,300万平方インチになったことを発表した(ニュースリ…

    2025.11.10
  • トルンプ,グローバルでは減速も日本市場が堅調「半導体分野が牽引役に」

      トルンプは,2024–25年度業績や今後の事業戦略に関して発表した。世界全体の売上高は43億ユーロで前年度比16%減,受注高は7.2%減の42億ユーロになったという。 業績がマイナスになった要因について,同社日本法人…

    2025.10.31
  • 量子技術の市場規模,2050年には55兆円超と予測

    矢野経済研究所は,世界における量子技術市場を調査し,量子センシング,量子フォトニクス,量子暗号・通信,量子生命科学,量子物性・材料の5分野に関連した技術・サービスを対象に,量子技術市場の現状と今後の動向を明らかにした(ニ…

    2025.10.27
  • 300mmファブ装置の投資額,3年間で3,740億ドルに

    米SEMIは10月8日(米国時間),300mmファブ装置の世界投資額が,2026年から2028年の3年間で総額3,740億ドルに達するとの予測を発表した(ニュースリリース)。 それによると,300mmファブ装置の世界投資…

    2025.10.09
  • 昨年度の機器間通信M2M市場は12%増の2990億円

    矢野経済研究所は,国内及び世界のM2M市場,国内のIoT市場を調査し,市場規模,セグメント別の動向,参入企業動向,注目動向,将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。 この調査では,M2M(Machine to Mac…

    2025.09.29
  • 2025年Q2半導体製造装置販売額,前年同期24%増

    米SEMIは9月4日(米国時間),2025年第2四半期における半導体製造装置(新品)の世界総販売額が,前年同期比24%増となる330億7,000万ドルであったことを発表した(ニュースリリース)。 それによると,2025年…

    2025.09.05
  • 光学用PETフィルム市場,中国ローカルメーカー台頭

    矢野経済研究所は,ディスプレー・光学,電気・電子,一般産業用のベースフィルム及び加工フィルムなど,国内外の高機能フィルム市場(日本,韓国,台湾)を調査し,製品セグメント別の動向,参入企業の動向,将来展望を明らかにした(ニ…

    2025.08.25

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア