電気通信大学と東京大学が提案した「都市型太陽電池による創電・蓄電の強化推進事業」が,東京都が都内大学研究者から研究成果・研究課題を踏まえた事業提案を募集し,都の施策に反映させる事業提案制度に採択された(ニュースリリース)。
提案する円筒型太陽電池は,発電シートを円筒型のガラスの中に入れ込み,封止した太陽電池。軽量で運搬やメンテナンスが容易なことから設置する場所や形態を問わず,全方向の光で発電できるため一日の総発電量が平板型の約1.5倍という特長を持っている。
円筒型のガラス管を一定の隙間を空けて並べられ,風や光を通すことから,耕作地などに設置して太陽光を分け合う「ソーラーシェアリング」が可能。軽量で運搬やメンテナンスの容易なため,この太陽電池を建物の壁面などに設置して,平地の少ない都市で太陽光発電量を倍増し,全都民に太陽光発電の可能性を提示するという。
さらに,エネルギー+情報のネットワーク化によりHTT(減らす・創る・蓄める)を可視化して活用することで,都市の柔軟性を向上させることを目指し,令和5年度から3年間の東京都事業として実施される。
なお,円筒型太陽電池は,ウシオ電機が電通大にランプの製造技術を応用したガラス封止技術を提供し,その事業化を支援しているという。