2030年AR/VR表示機器の世界市場,7兆4,301億円に

富士キメラ総研は,新機種の投入や関連コンテンツ,ソリューションの進化により今後の拡大が期待されるAR/VR関連市場の最新動向を調査し,その結果を「AR/VR関連市場の将来展望 2023」にまとめた(ニュースリリース)。

ここでは,AR(Augmented Reality:拡張現実),VR(Virtual Reality:仮想現実)の技術を活用したコンテンツの表示機器,具体的にはVR表示機器はHMD(ヘッドマウントディスプレー),AR表示機器はHUD(ヘッドアップディスプレー)やスマートグラス,スマートコンタクトレンズを対象とした。またAR表示機器の一部として,より高精度なオーバーレイ表示を可能とするMR(Mixed Reality:複合現実)表示機器も含む。

2023年にはHMDで複数の新製品発売が予定されており,市場はさらに拡大するとみる。それぞれの機器で新商品が発売されるタイミングで市場が拡大すると予想し,将来的にはBtoC向け商品の投入によってMRスマートグラスが急激に拡大し,2030年時点ではAR表示機器市場がVR表示機器市場を上回るとみている。

VR表示機器のHMDは接続型とスタンドアロン型に分類され,2021年時点で市場は3,511億円となっている。PCやゲーム機器に接続して使用する接続型はコアユーザーの使用が多く,スタンドアロン型は手軽さからライトユーザーのニーズを捉えているという。

スタンドアロン型はゲーミングに加え個人でのビジネス利用やBtoB/BtoBtoCの利用が増加し,市場をけん引していくと予想する。また接続型はコアユーザーの需要が底堅いため,今後も比較的安定して伸びるとみている。

AR表示機器は2021年まではHUDが主体であったが,今後はスマートグラスの構成比が高まっていくとみる。スマートグラスは製造やインフラ,建築業での作業支援などBtoB向けがメインの市場だが,2022年からBtoC向けの市場が本格的に立ち上がったことにより大きく伸びているという。

技術的な進展が当初計画のロードマップより遅れていることから,市場は2027年ごろから本格的に拡大していくとており,特に大手ITベンダーやスマートフォンメーカーによるBtoC向け商品の発売が拡大のトリガーになると期待する。

肉眼で見える視界に映像を重ね合わせることでMR表示を可能とする機器をMRスマートグラスと定義したMRスマートグラスの世界市場(HMDは対象外)は,ARスマートグラスよりも表示機能やセンシング機能に優れるが,現状では高重量や高価格となっている。2022年時点ではBtoB向けの製品が大半であり,BtoC向けは高価格やサイズが大きいことから商品の投入が少ない状況だとする。

今後,BtoC向けの商品投入が市場拡大の起爆剤になるとみる。特に有力企業の参入が想定される2027年ごろから市場が本格的に拡大し,将来的には低価格化が進むことによりARスマートグラスから需要がシフトし,2030年の市場は2兆7,741億円を予測する。

スタンドアロン型HMDの世界市場は,CPUが搭載され単独で機能するHMDを対象とした。高スペックなPCやゲーム機などがなくても手軽にVRを体験できる点や,ケーブルが不要で取り回しが良い点がメリットであり,ライトユーザーから支持されている。

2020年に低価格で高性能な商品が登場したことにより市場が拡大しており,部材供給がひっ迫した時期があったものの,2022年には状況が改善されたことから,市場は前年比52.7%増の4,195億円を見込む。

中長期的には,ゲーム用途以外にPCモニターの代替やBtoB/BtoBtoCでの活用,さらにはメタバース空間へのアクセスデバイスとしての利用が期待されるという。またビジネス利用を想定した10万~20万円のハイエンド機種が増加することから,2030年の市場は2兆4,639億円を予測している。

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