ウシオ電機は,業界で最も広い使用温度範囲において安定したビーム品質を実現した,波長405nm帯,光出力175mWのシングルモードレーザーダイオード(LD)である「HL40163MGシリーズ」を開発し,2023年1Qより量産を開始すると発表した(ニュースリリース)。
405nmのシングルモードLDは,ブルーレイディスクのピックアップ光源として広く使われているが,近年,産業用センサーや医療機器,測定機器などにも用途が広がっている。
特に,半導体工程での粒子検出のためのセンサーや,電子部品や基板検査用の3Dスキャナーの分野では,より微細な粒子の検出や,より高精細な検査のニーズが増大していることから,できる限り光束密度が大きく,均一な照明が求められており,集光スポット径の小さくなる短波長で,より広い温度条件下においてもビーム品質が安定した高出力レーザーが求められている。
そこで同社は,高度な結晶成長技術及び独自の光閉じ込め制御構造を採用することで,-5℃から+85℃という同波長・同出力帯のLDでは業界で最も広い使用温度範囲を実現。また,その温度範囲全域にわたって光束密度が大きく,均一で安定したビーム特性と低アスペクト比を得る事に成功した。
これにより様々な環境下で安定したパフォーマンスが要求される産業用センサー,医療機器,測定・分析機器,3Dスキャナー,3Dプリンターなど,幅広い分野での採用が期待されるという。
なお,光出力を確認できるモニタPD内蔵モデル「HL40161MG」も合わせて開発しており,2023年2Qより量産予定だとしている。