日立ハイテクは,パターンなしウエハー表面における異物や欠陥を検査する「LS9600」を発売することを発表した(ニュースリリース)。
この製品は,新規採用の高出力・短波長レーザーなどを搭載することにより,最先端半導体デバイス量産に必要な感度におけるスループット性能が,従来製品と比較して約2.6倍向上しているという。
パターンなしウエハー検査装置は,半導体デバイス製造装置の異物や欠陥の管理のために,パターンなしウエハーを使った状態管理(清浄度)などで使用される。半導体の微細化に伴い,製造工程の歩留まりに影響を与えるキラー欠陥(Defect of Interest:DOI)のサイズもより微小になっており,それに伴いパターンなしのウエハー全面で20nm以下のDOIを検出することが可能な高感度検査の必要性が高まっているという。さらには,歩留まり向上のための高感度検査に加えて,検査コスト低減につながる高スループット化も強く求められているとしている。
この製品は,従来製品よりも高出力・短波長な深紫外レーザーを搭載することにより,微小欠陥からの散乱光量を増加し,高感度化を実現。新型検出光学システムでは,従来製品よりもDOIからの散乱光を捕捉する面積を拡大している。また,新規に開発した高感度センサーにより微弱散乱光検出率が約20%向上しているとする。
さらに,新データ処理システムを採用し,DOIからの散乱光データ処理アルゴリズム改善による高感度化,および高速リアルタイムデータ処理による高スループット化を実現しているという。
同社は,この製品をはじめとする光学技術を用いたウエハー検査装置や電子線技術を用いた測長SEM(CD-SEM)などの製品を通して,ユーザーの半導体製造プロセスにおける加工・計測・検査工程での多様なニーズに対応していくとしている。