大日本印刷(DNP)は,ラインや矢印などの高精細なパターン光を遠方まで投影できる小型照明装置「DNP高視認性パターンライト」の試験販売を開始した(ニュースリリース)。
この製品は2019年に開発が発表され,インフラ・建設,警備・監視,工場の自動化,屋内外のデザイン照明など多種多様な分野で試験的に提供されてきた。同社によると,特に道路区画線整備の工事で必要な基準線・区画線などを路面上に示す「作図工程(墨出し作業)」では,従来に比べて作業時間は70%以上短縮,作業コストも75%以上が削減できることを確認しているとしている。
また,高速道路の規制工事区間の手前で,車両のスムーズな車線変更を促す取り組みでは,既存の自発光式の予告看板とこの製品を組み合わせることで,ドライバーに直感的で分かりやすい車線誘導を促進できるとして効果が認められているという。
このパターンライトは全長256㎜×直径50㎜(重量:600g)と小型で,レーザー光源により明瞭なパターン光を投影することができ、直線(ライン)と矢印の2つのパターンを数mから約100m先まで照射できる(使用可能時間:連続照射モード最大3時間,点滅モード最大6時間(内蔵バッテリー使用時))。
パターンライトはレーザー製品の安全規格「JIS C 6802」のクラス1に準拠しているため,一般的なLED灯具と同様の使い方ができるという。同社では今後,インフラ・建設関連や工業・防災分野に関わる企業・団体からのニーズを収集し,2023年度の量産販売を目指すとしている。