京セラは,現在開発中の「わかりやすい字幕表示システム」の実証実験を,10月11日から東日本旅客鉄道(JR東日本)の新宿駅で実施することを発表した(ニュースリリース)。
昨今の新型コロナウイルス感染防止の手段として会話時のマスク着用やアクリル板を挟んでの会話が必須となったこともあり,窓口の社員の声は,これまで以上に利用者に届きにくい状況となり,いかにタイムリー,かつ正確に情報を伝えるかということが窓口業務の運営において課題のひとつになっていた。
新宿駅ではこの課題を解決し,窓口業務における円滑で効率的なコミュニケーションと対応時間の短縮によるサービスの向上を目的とし,この実証実験を実施することにいたったとする。
同駅では,みどりの窓口(地下)や南改札窓口,西改札窓口,駅事務室に計4台「わかりやすい字幕表示システム」を設置。今回の実証実験を行なうことで,JR東日本では窓口業務のサービス向上を検証し,また,京セラは,人の往来の多い駅でのこのシステムの有効性の確認と課題抽出を行なっていくとしている。
このシステムは,話した内容がリアルタイムにスクリーンに文字として表示されるので,マスク着用時やアクリル板を通した会話であっても,文字や図解,動画という視覚情報で伝えることが可能。多数の路線が乗り入れ,複雑な駅構内での道案内など言葉だけでは伝えにくい内容も動画や図解を用いることで,利用者にもわかりやすく簡単に伝えられるという。
また,日本語をはじめ,外国語の翻訳表示(英語,中国語,韓国語ほか)にも対応しているので,海外からの利用者へも正しく情報を伝えることが可能だとし,さらに,相手の表情を見ながら会話することができるので,高齢者や聴覚に障がいのある利用者にとっても安心だとしている。