矢野経済研究所は,マイクロLED及びミニLEDディスプレー世界市場を調査し,用途別の市場動向や将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。
それによると,2022年のミニLEDディスプレー世界市場は,前年比181.7%の2704万台(Units)になると予測する。ミニLEDディスプレーは,High-End TVやAppleのIT製品向けの搭載拡大が成長の原動力となり,2022年以降大きく市場拡大を遂げる見通しだという。
一方で,マイクロLEDディスプレー世界市場は,2022年に55,000台(Units)と予測した。マイクロLEDディスプレーはSmartWatch向け採用が本格化する2024年頃より規模が拡大し,マイクロLEDならではのメリットを生かせるXR(AR/VR/MR)向けのHMD(ヘッドマウントディスプレー)や,車載用HUD(ヘッドアップディスレー)等の小型機器用途を中心に市場が拡大する見通しだとする。
ミニLEDディスプレーパネルを採用したTV世界市場は2022年よりマーケットが本格化し,2023年における市場規模は1542万台(Units)まで拡大し,OLEDパネルを搭載したTV市場規模を上回る見込み。TVセット最大手であるサムスン電子は2022年よりミニLEDディスプレーパネルの調達を拡大させているほか,2023年以降は中国や日本のTVセットメーカーからのミニLEDディスプレー採用が本格化していく見通しだという。
ミニLEDディスプレーを採用したTV市場ではMiddle-Density Mini LED Chipsを中心に使用する,チップ数を抑えたミニLEDディスプレーが主流になるとみており,このタイプの採用拡大によりミニLEDディスプレー世界市場は急拡大していくと予測する。
ミニLEDディスプレー世界市場はTV向けマーケットに牽引され,2029年の同市場は4284万台(Units)まで拡大すると予測した。一方で,マイクロLEDディスプレイ世界市場は5インチ以下の小型ディスプレー向けを中心に拡大を予測する。
また,TVへのマイクロLEDディスプレーの採用は,2023年以降超大型TVパネルとしてマイクロLEDディスプレーを採用したTVの販売が本格化していく見込みで,搭載初期では富裕層消費者狙いの8Kクラス・100インチ以上のTV向け展開がメインとなる見通しだとしている。