オリンパスは2022年4月1日付で,新たに設立した完全子会社株式会社エビデントに対し,同社の科学事業を承継させる手続きを完了したと発表した(ニュースリリース)。
オリンパスは,2021年1月に映像事業を譲渡しているが,今回の科学事業の分社化についても,業界の中での確固たる地位を確立するための長期的な戦略の一つとして,2021年6月に検討の開始を発表していた。
設立子会社は日本に本社を置き,経営の独立性を持って科学事業にあたる。オリンパスの科学事業は,ライフサイエンス分野,産業分野において製品・ソリューションを提供してきたが,今後,自律的な経営が可能になることで,顧客のニーズに,より迅速かつ柔軟に対応することが可能になるとする。
エビデントは,製品の販売だけでなく,今後はデータやクラウドを活用したソリューションを拡充することで,研究や検査の分野における価値の向上とワークフローの改善に努め,顧客の課題解決型のモデルへとシフトする。自律的な経営が可能になったことで,アジャイル型の製品開発やオープンイノベーションを推進し,製品の展開スピードを高められると考えているという。
同社の産業分野におけるソリューションは,設備の保守,製造,環境用途の顕微鏡,ビデオスコープ,非破壊検査装置,X線分析装置まで多岐にわたり,品質管理,検査,測定の分野で活用されている。
ライフサイエンス分野においては,ライフサイエンス・ソリューションとのコラボレーションで科学者や研究者,病理医をサポートしている。常に顧客の課題解決や,新たなニーズに応えるべく,臨床研究や不妊治療,教育分野などに向けた幅広い用途の顕微鏡システムのラインアップを提供しているとしている。