三菱電機は,第5世代移動通信システム(5G)基地局ネットワークの光ファイバー通信で使用される光通信用デバイスの新製品として,業界トップクラスの広い動作保証温度範囲で高速動作を実現した50Gb/s DFBレーザー「ML771AA74T」のサンプル提供を3月4日に開始した(ニュースリリース)。サンプル価格はオープン。
近年,スマートフォンやタブレットなどの携帯端末の普及および動画伝送の利用拡大を背景に,データ通信量が急速に増大しており,移動通信システムは世界各国で第4世代から第5世代への移行が進んでいる。
これに伴い,アンテナ基地局用通信機器内のトランシーバーに搭載されるDFBレーザーは,大容量化に必要なさらなる高速動作が求められており,また,アンテナ基地局用通信機器は屋外に設置されることから,広い温度範囲での動作が必要となる。
この製品は,PAM4変調方式の動作に適した周波数応答特性を有し,同方式での優れた特性と,業界トップクラスの広い動作保証温度範囲-40℃~+90℃での伝送速度50Gb/sを実現。広い動作保証温度範囲により熱電変換素子を不要とし,移動通信システム基地局の低消費電力化に寄与するという。
また,業界標準のTO-56CANパッケージの採用により,従来製品である25Gb/s DFBレーザー「ML764AA58T」(生産終了品)と外形寸法の互換性を確保し,小型光トランシーバー規格(SFP56)に適合する。同社はこの製品を通じて,小型光トランシーバーにおける規格互換性を確保しつつ,5Gの高速大容量化に貢献していくとしている。