パナ,青色レーザー加工機の実証センターを設置

パナソニック スマートファクトリーソリューションズ(2022年4月より「パナソニック コネクト」に変更)は,12月1日,大阪府豊中市の同社事業所に,高出力・高ビーム品質の青色レーザー加工機のプロセス実証センター「Advanced Material Processing Connect Lab」(AMP Connect Lab)を開設する(ニュースリリース)。

銅加工においては,生産性や加工品質などを考慮し,生産工程ではレーザー工法の採用が拡がりつつある。

一方,現在のレーザー加工では,赤外線波長が多く導入されているものの,銅材料に対する光吸収率が低いことから,量産工程で期待される加工品質の確保や生産性の向上には依然として課題があり,可視光線波長を搭載したレーザー加工機の早期実用化への期待が高まっている。

同社の青色レーザー加工機は,ダイレクトダイオードレーザー(DDL)の波長合成技術を用いて高ビーム品質を保ちながら,高出力でのレーザー発振が特長で,熱伝導溶接,キーホール溶接,切断加工において,ポロシティやスパッタの発生抑制,熱歪みの少ない加工,深い溶込みによる強い接合強度が実現可能とする。

特に,銅材料に対して光吸収率が良くビーム品質が高いことで,電子機器や電子デバイスの狭隘部にて,小スポット径で周囲への熱影響が少なく,深い溶込みの溶接を実現する。このことにより,さらに小型化や軽量化を実現することができ,構造設計の自由度も高めることが可能だという。

加えて,レーザー発振の光出力ヘッドの発振端面と加工対象の距離を十分に確保できるリモート加工も特長で,量産工程での生産性向上も期待できる。さらには,光変換効率の良い半導体レーザをー用い,青色レーザーの銅に対する光吸収率の良さから,加工工程における省エネ・CO2削減も可能だとしている。

同社は,2020年1月29日にパナソニックが発表したDDLの波長合成技術を活用し,高ビーム品質で高出力発振が可能な青色DDLを搭載したレーザー発振器の試作を完了した。今回開設する実証センターにおいて,こうした特長を検証するためのプロセス検証機を設置する。

設置する検証機は2機種。どちらも発振波長445±20nm,出力400Wのレーザー発振器を搭載した,切断用高圧ガスに対応した固定ヘッドタイプと,ガルバノスキャナタイプとなっている。同社では今後,幅広い加工ニーズに応えるべく,2021年度末までに出力がkW級の青色DDLの検証機も導入する予定だとしている。

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