フジクラ,日本ガイシ,ベルギーe-peasは,環境発電デバイスである色素増感太陽電池(DSSC:Dye-Sensitized Solar Cell)を用いてメンテナンスフリー化した電源を開発し,評価サンプルの提供を開始した(ニュースリリース)。
5GやLPWAN(Low-Power Wide-Area Network)などの通信技術の発展に伴い,IoT技術を用いた機器の利用が広がってきている。しかしながら従来型の電池を駆動用電源に用いる場合,点検・交換など電池メンテナンスの必要性から,運用の手間やコストが増大したりデータ収集が途切れたりしてしまうことが課題となっている。
この課題を解決するには,身の回りにある微小な光エネルギーを電気へと変換する光環境発電技術が有効となる。この技術を用いた光環境発電電源は,フジクラが開発したDSSCのような高効率の光発電素子に,電圧変換IC,蓄電素子を適切に組み合わせて設計した場合に,初めて高い性能を発揮する。
しかし,これらのデバイスを用意し,電源回路を設計・製作するには手間と時間がかかるため,これまで顧客がこのような電源技術を評価する機会は限られていた。
そこでフジクラは,蓄電デバイスメーカの日本ガイシおよび電源ICメーカのe-peasと協業し,フジクラのDSSCと,電圧変換IC・蓄電素子とを一体にした薄型,コンパクトで,且つ安定的にDC3Vを出力するメンテナンスフリー電源を開発した。
既存の電池を本電源に置き換えることで,IoT機器の電池メンテナンス無く,途切れないデータ通信を長期動作させることが可能となり,よりきめ細やかな多点の遠隔センシングの実装を実現するとしている。
製品概要は以下の通り。
・出力電圧:DC3V
・外形寸法:44x85mm
・板厚:4.5mm
・蓄電容量:100mWh(27mAh)
・最大動作点電力:165μW(白色LED 200lx)