日本板硝子は,同社グループの「フル拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)対応ガラス」が,メルセデス・ベンツのSクラス最新モデルに採用されていることを発表した(ニュースリリース)。
同社は高画質ディスプレーに対応する最先端で複雑なガラスを開発するため,独自のアドバンスドプレスベンディング技術(高精度プレス工法)をさらにグレードアップした。
この工法は,高温に熱したガラスを1枚ずつ型にあわせてプレス成形する曲げ加工法。ガラス自体の重力によって自然成形を行なう自重工法に比べ,ガラスを深く曲げるまたは立体的に曲げるような難しい成形や,ガラスに高い面精度が求められる場合に適しているという。
フロントガラスにはHUDの機能を補助すべく開発された凍結防止技術を採用。これは熱線を使わずソーラー反射技術でフロントガラスを加熱するもので,見えないヒーティングとも言えるもの。フロントガラスに使われることで車全体のソーラー反射が高まり,快適な車内を実現できるとする。
今回の採用は,世界初のAR-HUDという先端技術を実現するため,メルセデス・ベンツとパートナーとして長年培った信頼関係に基づくものだという。同グループは先進的なガラス技術に継続的に投資し,運転支援システムの急激な進化とともに高まるユーザーのニーズに対応する体制を整えていくとしている。