光技術展示会「OPIE’21」展示会場で,NEDO(新エネルギー・産業技術開発機構)【ブースNo.F-41】は,プロジェクトの成果である新規加工向けレーザー技術を展示している。
その中に一つ,「高輝度青色半導体レーザーによる革新的な銅の接合加工の実現」は,従来の近赤外線レーザーでは吸収が低く加工が困難だった銅を,青色レーザーによって効率的に加工する技術。
銅は抗菌性が高く,今後のコロナ社会において重要な素材になると考えられているが,価格が高いためバルクからの削り出しなどは現実的ではなかった。そこでプロジェクトでは,高出力青色半導体レーザーと加工装置を組み合わせて,ステンレスなど異種金属に銅薄膜を付する技術を開発した。
展示会場に持ち込まれた試作機は,青色半導体レーザーの高出力化によって従来よりも2桁以上高速化したとする,加工速度800mm/sを実現している。光源には200Wの青色半導体レーザーを3台用い,それぞれから50Wずつデリバリしたビームを銅粉を吹き付けながらステンレスに照射することで,厚さ20~30μmの銅薄膜を作製する。
ブース内で実際に装置を動作させており,目の前で加工の様子を見ることができる。また,ドアノブなどに銅薄膜を付した各種サンプルや,3Dプリンター的に銅を造形したサンプルも用意されている。