阪大ら,万博実証実験でドローンの空間描画を実施

2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所は,両者が実施した2025年大阪・関西万博の会場である夢洲における実証実験の公募に寄せられた39件の提案のうち,最終選考を通過し,採択を受諾して実験実施候補者となった9件を発表した(ニュースリリース)。

この公募は,2021年1月18日から2月19日まで実施したもので,39件の提案が寄せられた。各提案は,外部有識者等で組織する選考委員会による1次選考(書類選考)および2次選考(プレゼンテーション)により選考され,10件が最終選考を通過。そのうち9件が採択を受諾し,実験実施候補者となった。

今回選出された9件の実験実施候補者(代表機関)と実証実験名は次の通り。
① 大阪ガス「放射冷却素材 SPACECOOL の価値検証実証試験」
② 大阪市高速電気軌道「自動運転を活用した未来社会の実装検討」,
③ 大阪大学レーザー科学研究所「超スマート社会のサインシステム~レーザーとドローンによる大空への空間描画~」
④ 関西電力「マイクロコミュニティを実現するスマートポール実証実験」
⑤ 住友林業「グリーンインフラの高度化に関する実証実験」
⑥ セブンセンス「Drone Entertainment & Advertising Experiment」
⑦ 竹中工務店「都市型自動運転船「海床ロボット」による都市の水辺のイノベーション実証実験」
⑧ 日本製鉄「超軟弱地盤における,「NSエコパイル」打設&引抜き実証実験および「カルシア改質材」による支持力改良実験
⑨ LIFT AIRCRAFT「空飛ぶクルマによる飛行体験 “Experience the Sky”」

このうち③の大阪大学レーザー科学研究所は関西電力とともに,ドローンを活用し,水蒸気とレーザー描画により,空中に大きな絵を描く。実験では,水蒸気散布による疑似スクリーンによる空間スクリーン生成技術と,走査型レーザープロジェクタによる空間描画技術の実証を行なう。また,雨天・風が強い場合の対応として,透過型スクリーン(網)による実証実験も併せて行なうという。

この実験の将来活用用途としては,昼夜を問わず活用することを前提として,非常時の注意喚起や避難場所への誘導等,必要な場所に臨機応変に情報発信する手段としての活用を目指す。また,常時は「(飛行船のような)動く空の広告塔」としての活用も考えられるとしている。

現在,実験実施候補者に対し,大阪府,大阪市,大阪商工会議所が設置する「実証事業推進チーム大阪」が,実施に向けた実証場所の協議・調整を順次実施しており,今後,実証実験の実施が決定した際に,広報・プロモーション等のビジネス化の支援などを個別に行なうという。なお,夢洲における実証実験の公募は今回が初めてだとしている。

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