古河電気工業と日亜化学工業は,モビリティの電動化推進を支える基幹技術(レーザー加工)に関し,持続的な協業関係の強化を目的として,長期的な業務提携に合意したと発表した(ニュースリリース)。
xEVの基幹部品であるモーターや電池などでは銅が多用されることから,銅をいかに効率よく加工するかが生産性向上における大きな課題となっている。近年では,工場から排出されるCO2削減や効率向上を目的に,連続波として出力が安定しているファイバレーザーや半導体レーザーによる溶接が検討され始めている。中でも,銅に対して光吸収性の良い高出力な青色レーザー(波長450nm帯)への注目が高まっている。
両社は,2017年から対等かつ良好な関係を長期にわたって構築するという合意に基づき,2021年に光出力170Wを実現した加工用青色レーザダイオードモジュール(LDM)を共同開発し,赤外レーザーと組み合わせて最適化を図ることで優れた加工安定性,加工速度,加工品質を実現し,銅加工における課題解決に資するハイブリッドレーザーの加工技術を確立した。
今回の業務提携の合意は,両社の技術融合の強化によりxEVを支える基幹技術であるハイブリッドレーザーの加工性能をさらに進化させ,銅加工におけるデファクトスタンダードとなることを目指すもの。
今回の業務提携の合意は,これまで両社が培ってきた技術を結集し共創を積み重ねてきた成果を確認および表明するものであり,今後相互の協力関係をこれまで以上に強化し発展させるための第一歩だとする。将来的には合弁会社設立を視野に入れながら,加工用青色LDMの生産拠点の統合と次世代青色LDMの共同開発を進める。
また,共同で市場探索を行ない,顧客へ銅加工に関するソリューション提案を行なう活動の一環として日亜化学の横浜研究所にハイブリッドレーザー加工の共同運営アプリケーションラボの開設を推進する。
これらの具体的な共創の推進により,xEVを支える基幹技術であるハイブリッドレーザーの加工性能をさらに進化させ加工のソリューションを提供することで,顧客の銅加工の生産性向上に寄与することを目指すとしている。