日本触媒,iOLEDフィルム光源を織物に応用

日本触媒は,開発中のiOLEDフィルム光源を,ZOZOテクノロジーズとテキスタイルの細尾が共催する展示会に提供する(ニュースリリース)。

テキスタイルは,ファッションから住環境に到るまで生活に欠かせないものであり,さらなる利活用に向けた研究開発が続けられている。

近年は特に,保温効果や抗菌機能などの材料面での進化に加え,回路等による電子的な機能を内包した,スマートテキスタイルと呼ばれる機能性テキスタイルが登場している。これらは新しいユーザーインタフェース,ヘルスケアツール,ファッションアイテム等への活用を含む多様な応用が見込まれている。

ZOZOテクノロジーズ,東京大学,細尾は,機能面に加え,テキスタイルの意匠面の革新に目を向けた共同研究を行なっており,テキスタイルのもたらす機能に対して意匠を両立させること,そして新しい機能を用いることで可能になる意匠の開拓に挑戦している。

日本触媒のiOLEDフィルム光源は,有機ELの長年の課題であった大気中の酸素や水分による素子の劣化を,NHKとの共同開発による材料および素子技術(iOLED技術)により克服し,厚さ0.1mm以下と紙より薄く,高い柔軟性を実現している。

共同研究では,西陣織の構造や意匠に,先端素材やデバイスを掛け合わせることで周囲の環境情報と織物を媒介する様々な機能と表現の両立を試みてきた。

今回,ZOZOテクノロジーズと,織物に織り込める構造ならびに形状を共同で開発検討し,新たに細い紐状のiOLEDフィルム光源を開発した。布に織り込めるほど薄くしなやかな発光・透明度変化デバイスなど,動的に見た目や特性を変化させる機能を西陣織の上に付与した,意匠性に特化したテキスタイルおよび要素技術だとしてる。

展示会開催概要は以下の通り。
株式会社ZOZO テクノロジーズ,東京大学筧康明研究室,株式会社 細尾
共同研究開発成果展示“Ambient Weaving ── 環境と織物”
・会場:HOSOO GALLERY(〒604-8173 京都市中京区柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE 2F)
・会期: 2021年4月17日(土)~2021年7月18日(日)10:30~18:00(祝日を除く,入場は閉館の15分前まで)
・入場無料

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