三井化学とKOALA Techは,有機半導体レーザーデバイスの実用化に向けた有機色素の開発について,共同研究開発を開始した(ニュースリリース)。
有機半導体レーザーは,無機半導体レーザーでは実現困難であった「可視~近赤外域の任意の波長での発振」が可能になる。特に,近赤外波長域は今後,生体認証,光学センサーなどの分野で新たな応用展開が期待されている。また,柔らかい有機材料を使うことでフレキシブルデバイスへの利用にも適している。
三井化学は,これまでにCD-R,DVD-R,有機EL等の用途で有機色素開発および実用化の実績がある。これら一連の開発で培った分子設計および有機合成技術をベースとし新たな有機色素を開発することができる。
KOALA Techは,九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センターで世界に先駆けて実現されたOSLD技術の実用化を目的として設立されたスタートアップ企業。OSLDによる電流励起発振のための設計技術を保有している。
両社は近赤外波長域での高効率なレーザー発振を可能とする有機色素の研究開発を共同で行ない,スマートフォンやウェアラブル機器への実装・導入を目指すとしている。