ウシオ,皮膚科向け365nm LED紫外線治療器を発売

ウシオ電機は,従来とは異なる波長領域の光を採用した皮膚科向け紫外線治療器「セラビーム UVA1」の全国販売を3月1日に開始した(ニュースリリース)。

同社の「セラビーム UV308」シリーズは,中波紫外線療法に用いるエキシマライト光線療法機器として,2008年の発売以来,シリーズ累計で世界7ヵ国,約1,000台が使用されているという。

発売する新製品は,名古屋市立大学の森田 明理教授が1997年に発表した,UVA1によるアトピー性皮膚炎に対する奏功メカニズム発見以来,長期間にわたる研究の成果から,同教授と共同研究・開発されたもの。

シリーズ最新機種として長波紫外線療法に用いるもので,UVA1波長領域から選択的長波紫外線として有効性の高い365nmをピーク波長とする同社製LED光源を搭載した「UVA1光線療法機器」となる。今回,医療機器認証を取得した新製品は,細胞実験の結果,更に臨床的な治療効果が期待されるという。

現在,国内で普及している紫外線療法は主にUVB波長領域の光を採用しているが,UVA1療法はUVAのうち340-400nmという長波長域(UVA1)の光を用いる方法。UVBは,皮膚の浅いところまでしか届かないが,UVA1は皮膚の深いところまで届く特徴がある。これまで治療選択肢が少なかった皮膚疾患であるアトピー性皮膚炎,皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉症)などに有用性があることが知られている。

UVA1療法は,国内では未だほとんど普及していない治療法だが,ヨーロッパでは1990年代に実用化されているという。しかし,従来までの装置は,メタルハライドランプと複数のフィルターを用いるため,大型で消費電力が大きいばかりではなく,大量の熱を発生するため特殊な排気装置が必要となり,普及が遅れていた。

新製品は同社製新光源である「365nm LED」を搭載。皮膚科向け紫外線治療器でLEDを搭載する機種は国内初となり,小型・省電力・長寿命,そして水銀レスを実現することが可能になった。環境に優しいだけでなく,耐用年数を通じてメンテナンスフリーになるため,維持費用の削減にも貢献する。

従来より,紫外線療法にはUVA光(365nm/UVA1)とUVB光(311nm/NB‐UVB、308nm/エキシマライト)があったが,今回,国内には無かったUVA1治療器が加わることで紫外線療法全てをカバーできる。これにより,さらなる治療選択肢の提供が可能になるとしている。

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