NEDO,レーザー加工プラットフォームを構築

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,プロジェクトで開発されたレーザー光源や加工機を集約し,各装置が持つ加工品質の計測・評価技術やデータベースといった共通基盤技術を組み合わせることで,レーザー加工の課題解決に寄与するプラットフォーム「柏Ⅱプラットフォーム」を構築した(ニュースリリース)。

現在,ものづくり現場で広く用いられている切断や穴あけ,溶接,接合といったレーザー加工技術は電気効率や加工効率が低く,加工精度の観点でも改善すべき点が多い。また,加工対象物によって異なる最適な加工条件は,熟練作業者の経験と勘を頼りに選択されているという課題も抱えている。

このため日本がものづくりで今後も高い競争力を保持していくためには,高輝度で高効率な実用性の高いレーザー装置と加工機の開発と,すべてのユーザーが加工目的に合わせて最適な加工条件を選択できるようにする仕組みの確立が求められている。

NEDOは,2016年度から2020年度の期間で実施しているプロジェクト「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発」の中で<微細な加工が可能な高品位レーザー加工機や表面改質を可能とする高品質レーザー,さらに金属加工を効率的に行なうことができる短波長レーザーなどのレーザー光源および加工機の開発を進めてきた。

また,効率的な加工を可能にする条件を実験的手法と理論的考察の組み合わせによって引き出すことを目指し,TACMIコンソーシアム(東京大学により産学官連携で光ものづくり協創を推進する組織)と連携してさまざまな加工条件における加工特性評価やデータ取得・データベース化を行なってきた。

そして今回,東京大学,産業技術総合研究所,三菱電機,スペクトロニクス,大阪大学,浜松ホトニクス,パナソニック,パナソニック スマートファクトリーソリューションズ,金門光波,千葉工業大学,レーザー技術総合研究所,ギガフォトン,島津製作所は,このプロジェクト内の研究開発テーマの一つである「最適条件を導くレーザー加工プラットフォームの構築」に基づき,最先端のレーザー光源や加工機・加工技術を集約し,各装置の品質評価や計測技術といった共通基盤技術,さらに実加工事例をデータベース化した開発成果を組み合わせることで,レーザー加工に関する産学官協創の場としてのプラットフォーム「柏Ⅱプラットフォーム」を構築した。

加工ユーザーはこのプロジェクトで開発された最先端のレーザー光源やレーザー加工機を容易に利用できるだけでなく,集約されたレーザー技術と共通基盤技術およびデータベースの効果や適用可能性を検証することができるという。

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