NECは台湾交通部中央気象局へ,海底ケーブル式地震津波観測システムを納入したと発表した(ニュースリリース)。
これはNEC台湾と台湾交通部中央気象局との契約に基づくプロジェクトで,システムを構成する光海底ケーブル,海底観測ユニット,光海底中継器をはじめとする全ての製品は日本国内の工場で製造・組み立てが行なわれたという。
台湾交通部中央気象局は,台湾東部沖の地震の早期警報能力を向上させるため,台湾沿岸に津波警報機能を設け,2007年に「台湾東部海域ケーブル式海底地震計および海洋物理観測システム」(Marine Cable Hosted Observatory:MACHO)の建設計画を開始した。
今回納入されたシステムは主として台湾東部の宜蘭沖から屏東県枋山にいたる海域での地震および津波の観測を目的としており,海底ケーブルの長さは620km,深部の設置深度は水深5,800mに達するという。
台湾交通部中央気象局によると,このシステムの導入により台湾の東部海域で地震が発生した場合,実際の揺れを感じる10秒以上前に緊急警報を発出することができ,また沿岸地域に津波が到達する20〜30分前に津波警報を発出することができるようになる。
このシステムにより,例えば,公共交通システムMRT(Mass Rapid Transit)やHSR(High Speed Rail)は地震発生時,速やかに減速を行なうことができるという。