積水化学工業は,電子機器の組み立て工程に使用するUV+湿気硬化型接着剤「フォトレックB」の性能を改良したことを発表した(ニュースリリース)。
この製品は,主にスマートフォンの外装部(筐体とカバーパネル)の接合や,タッチパネルとカバーパネルやディスプレーの額縁部の接合に使用される接着剤で,UV硬化と湿気硬化により初期接着力と最終接着力を兼ね備えることから,0.4mm幅でも対応可能な塗布性と接着力を合わせ持つ。
また,完全硬化後も一定の柔軟性を有していることから,落下時の衝撃を吸収でき,各部品の破損防止にも貢献するという。現在,これらの接合方法としては,両面テープと接着剤の2種類がほぼ半分ずつを占めているが,この製品の拡販により,この接着剤市場の獲得を図るとしている。
今回の改良では,原料配合設計の工夫により,UV硬化後の初期接着力を改善。具体的には,塗布,UV照射後に発現する接着力を短時間化した。これにより,接合部材の貼り合わせ時の保圧や保持に必要とする時間,治具を短縮,削減することで工程の自動化,少人化に貢献するという。
この製品はすでに一部スマートフォンメーカーに採用されているが,今後スマートフォンメーカー各社への提案活動を強化し,2022年度までにスマートフォン部品接合用接着剤のシェア15%獲得を目指すとし,海外をメインに他デバイスへの展開を図っていくとしている。