2026年フォトレジスト市場,2020年比52.9%増に

富士経済は,感光性樹脂およびその原材料の世界市場を調査し,その結果を「2021年 光機能材料・製品市場の全貌」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,半導体前工程に用いられるg線/i線,KrF,ArF,液浸ArF,EUVの各フォトレジストは,2020年は新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けた巣ごもり需要やリモートワークの増加に伴い,モニターやタブレット端末,ノートPCなどで需要が増加した。また,5G通信の普及に伴う関連機器向けの半導体やデータセンター向けSSDでの需要が増加し,市場は前年比プラスとなったという。

現状では高価格の液浸ArFレジストが市場をけん引しているが,今後は液浸ArFレジストからさらに高価格なEUVレジストへシフトするとみる。EUVレジストの低価格化は続くが,マルチパターニング導入により市場は拡大するとみる。

g線/i線用やKrF用のレジストも価格低下が進行しているが,パワー半導体やセンサーで安定した需要が続くとみる。2026年の市場は2020年比52.9%増の2,493百万ドルを予測する。

UV硬化型インクジェットインキは,インクジェット方式のプリンターで用いられているUVインキを対象とした。2020年は主要販売地域である欧米において,新型コロナの流行による生産活動一時停止の影響を受けたが,中国では新型コロナの流行が落ち着くとともに需要が急速に増加したため,市場は大幅な縮小を逃れたという。

欧米ではUVインクジェット印刷の普及により需要が安定しているほか,中国では溶剤インクジェット印刷からUVインクジェット印刷へのシフトが進むことで市場拡大が続き,2026年は2020年比88.5%増の3,095百万ドルを予測した。

カラーレジストは,LCD用カラーフィルターのRGB形成に使用するフォトレジストを対象とした。市場はディスプレーの出荷面積ベースとほぼ連動しているという。2020年はLG DisplayのLCD事業撤退や,中国における10.5世代のパネル製造ラインの本格稼働延期により,それまで過剰供給だった市場構造が崩れたため,カラーレジストを含む構成原料の価格低下が進んだため,市場は縮小したという。

新型コロナの流行を受け,リモートワークの普及や巣ごもり需要により,ITモニター向けが好調なため販売数量は好調を維持するが,以降は価格低下により市場縮小を予想する。

原材料のアクリレートモノマーは,官能基にアクリロイル基を持つモノマーを対象とした。アクリレートモノマーと光開始剤などを加えた化合物はUVなどのエネルギー電子線の照射によって硬化することから,インキや塗料,レジストなどの幅広い用途で用いられている。

2020年はインキや塗料・コーティング材での需要が大きく落ち込んだことを受けて,市場は前年比10%以上のマイナスとなった。一方で,巣ごもり需要によってラベル印刷やPC,ディスプレーに使用される電子材料向けは伸びているという。

日本では,2019年までパッケージ印刷の需要増加をけん引していたインバウンドの縮小,消費者向け全般の新製品の販売が滞ったことによる広告用のサイン・ディスプレー需要の減少などが大きく影響した。今後は電子材料向けや環境対応ニーズの増加により,高機能製品の需要が増えることで市場は拡大すると予想している。

感光性樹脂の世界市場全体では,2020年は塗料・コーティング材や印刷関連の需要が大きく落ち込み,前年比マイナスとなった。一方,電子材料や粘接着剤は2020年も好調だとし,今後も成長が続くとみる。

電子材料は,液状ソルダーレジストやドライフィルムレジストはプリント基板の需要と連動して微減となったが,一方で,半導体やFPDなどが好調だったことで半導体用やレジストなどが伸びており,2021年以降も好調が続くと予想する。

また,粘接着剤は車載ディスプレーの大画面化や搭載率の上昇,OCR代替などによるOCA需要の増加などにより,伸びるとする。2020年はインキや塗料・コーティング材の需要の落ち込みが大きく響き,市場は縮小した。2021年以降は需要が回復し,2022年には新型コロナ流行以前の2019年の市場規模を上回ると予想する。

市場構成比の高いモノマー・オリゴマーの需要減少が2020年の市場縮小の主因となったが,2021年以降はアクリレートモノマーやメタクリレートモノマーなどがけん引して,伸びるとみる。レジストポリマーは2020年も好調だったという。

原材料によっては価格低下が徐々に進行するとみられるものの,数量ベースでの好調な増加を受け,伸びが続くと予想。添加剤では,光重合開始剤が堅調であり,中国を中心とした需要増加により,順調な伸びが予想されるとしている。

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