三井化学ファイン,高硬度2層ウレタンスキージーのメーカーである大阪ケミカルら5社は共同で,スクリーン印刷法による超微細印刷技術を世界で初めて開発した(ニュースリリース)。
近年,タッチパネル(静電容量方式)はスマホ,タブレット,ノ-トPC,車載等に多く使用されている。また,ICT技術の進歩と共に高い検出感度を実現するため,センサーとなる電極には狭ピッチ化・超微細化が求められている。
そのため,これまではライン&スペース(L/S)=50μm以下の超微細印刷には微細配線化に優位性のあるフォトエッチング法が主流であり,フォトエッチング法と比較してコスト競争力を有するスクリーン印刷法では,L/S=50/50μmレベルが限界とされ,超微細印刷には使用が限定されてきた。
今回,この課題に対し,ウレタンスキージーの販売を手掛ける三井化学ファイン,平滑性と膜厚安定性に大きな特徴を有する高硬度2層ウレタンスキージーを製造する大阪ケミカル,製版メーカーであるムラカミ,ペーストメーカーであるアサヒ化学研究所,印刷機メーカーであるセリアコーポレーションの5社は共同で,スクリーン印刷法でL/S=20/20μmを可能とする超微細印刷技術を開発した。
この技術は,既存のスクリーン印刷ラインに導入可能であり,競争力のある超微細印刷が実現可能になるという。三井化学ファイン含め5社は,今後,この技術を普及させるべく2020年度末より顧客への紹介を開始し,2021年度中の実用化を目指すとしている。