島津製作所は,レーザースペクトラムアナライザ「SPG-V500」を発売した(ニュースリリース)。価格は500万円(税別)。
レーザーのスペクトルの測定装置であるレーザースペクトラムアナライザは,レーザー素子や,レーザー素子を組み合わせたモジュールなどの品質管理・研究開発に用いられる。レーザー素子およびレーザーモジュールは,レーザー加工機やディスプレー,照明のほか,自動運転技術に不可欠なLiDAR向けのセンシング光源などとしても,世界的な需要拡大が想定されており,レーザーのスペクトル測定装置の必要性も高まっているという。
一般的なレーザースペクトル測定装置は測定時に順次波長を変更する必要があり,レーザー素子の品質管理・評価やレーザーモジュールの組立調整に時間がかかるという。この製品はCMOSセンサーを搭載してスペクトルを一括取得することで,測定時間を1/10以下に短縮し,リアルタイム測定を実現している。測定時間の短縮はもちろん,スペクトルの挙動を確実に捉えることで,開発スピード向上・製造コスト低減に貢献するとしている。
また,同社独自の波長制御技術によって,185~1095nmという波長範囲を0.04nmを超える高分解能で測定することが可能。従来の装置では測定が難しかったエキシマレーザーやYAGレーザー第4高調波を含め,様々なレーザースペクトルをこの製品1台で測定できるという。
さらに,付属の専用ソフトウェアはレーザースペクトル測定に特化しており,波長や積分時間など最大10種の測定条件を設定・登録可能。レーザー特性を様々な指標で可視化するグラフを備え,挙動評価を支援するとしている。
なお,この製品は展示会「光とレーザーの科学技術フェア」(会期11月11日~13日,於 東京都立産業貿易センター浜松町館)にて出展されている(ブースNo.3F-36)。