オムロンは,業界初のセンシング技術を搭載した,CMOSレーザーセンサー「E3AS-HL」を10月1日より発売する(ニュースリリース)。
近年,商品の多品種化,ライフサイクルの短命化が進んでいる。それに伴い製造現場では,設備を短期間で立上げ,安定稼働することが課題になっている。また,新型コロナ対策として,人の密集・密接回避や移動制限が求められており,ますます人の経験や技能に頼らないことへの要求が高まっている。
このような課題をふまえて,搬送物検出に数多く使用される光電センサーでは,受光器や反射板の設置が不要なため,センサーの設備設計や取付け工数を削減できる反射形光電センサーへのニーズが高まっている。
しかし,従来の反射形光電センサーは,検出対象物の色や材質など表面状態の影響を受けて検出安定性が変化するため,設置設計・調整には検出対象物ごとに人の経験や技能が必要だった。特に自動車や食品業界では,複雑形状や光沢のある検出対象物が多く,その課題が顕著であり,使用用途に制約がある。
新製品は,業界初となる検出対象物からの微小な反射光の増幅により高感度化を実現する,毎秒1万回の高速サンプリングと独自積算処理のセンシングアルゴリズムを搭載。さらに,センサー内の受光レンズ位置をμm単位の高精度で調整する製造技術によって,検出対象物の色,材質,形状の特徴を問わない高い検出安定性を実現したという。
これにより,曲面・凹凸形状や光沢のある自動車部品や,多種多様な色柄や光沢のある食品やパッケージを安定検出し,反射形光電センサーの使用ニーズに応えると共に,人の経験や技能に頼ることなく,センサーの設置位置・角度やしきい値の調整工数の大幅な削減に貢献する。また,反射形光電センサーでは検出が困難であった検出対象物も安定検出できるとしている。