2035年,自動運転シャトル国内市場は322億円

著者: sugi

富士経済は,自動運転LEVEL 4以上で,小型バスタイプの車両である自動運転シャトルの国内市場を調査し,その結果を「自動運転シャトルの活用の可能性」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,過疎地やオールドニュータウンなどではドライバー不足や公共交通機関の路線撤退などにより交通手段減少が深刻な社会問題となっており,ドライバーレスで小規模輸送が可能な自動運転シャトルの実現が求められている。

2020年5月にはAIとビッグデータを活用することで住民が最先端のサービスを受けられる街づくりを推進するスーパーシティ法案が成立し,人を運ぶだけではなく物流車両としても自動運転シャトルを活用した都市構想が検討されている。今後,自動運転社会の実現に向けて公道走行に関する規制緩和が進むとみられ,自動運転シャトルの活用も広がっていくと予想する。

自動運転シャトルは主に旅客用途と物流用途に大別され,それぞれ公道走行と敷地内走行に分類される。

公道走行のコミュニティバスは公共交通空白地帯やスーパーシティ特区における路線バス,民間企業や教育機関,ホテル,スポーツクラブ,冠婚葬祭などの送迎バス,ライドシェア用,相乗りサービス用車両を対象とした。また,敷地内走行の空港内バスは空港内リムジンバスや空港内ランプバスを,事業所内移動バスは工場や倉庫,港湾エリアなどにおける人輸送用バスを対象とした。

旅客用途は物流用途に先行して普及が進むとみる。コミュニティバスはトラックやバスドライバーの人手不足や人口の都市流入による渋滞問題,公共交通機関の路線撤退による公共交通空白エリアの交通手段確保などから導入に対する期待が高いという。2021年に導入が開始され,徐々に普及が進むとみる。

また,空港においてもターミナル間を移動する際に利用するリムジンバスや飛行機搭乗口まで人を運ぶランプバスでドライバー不足が深刻化しているため,自動運転シャトルの活用が期待されており,2024年頃から導入がはじまるとみる。2035年には公道走行,敷地内走行合わせて260台を予測する。

物流用途は,公道走行の宅配は配送トラック(ラストワンマイル配送/フードデリバリーなど)を,物販・サービスは移動コンビニ(スーパー),医療・介護サービス,道路清掃・除雪サービス,消防・救急・警察などの車両を対象とした。また,敷地内走行の構内搬送は工場,倉庫,港湾エリアなどにおける物流用途の車両を対象とした。

物流用途では,現状公道走行できないことが普及拡大の阻害要因となり,2030年までは実証実験が中心となるという。2030年以降,工場や倉庫,港湾エリア内における構内搬送向けの導入が先行するとみる。また,宅配や物販・サービス向けはエリアが限定的になるものの,需要が高まるとみる。2035年には公道走行,敷地内走行合わせて200台を予測する。

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