日本アビオニクスは,発熱者スクリーニング用の赤外線サーモグラフィカメラ「InfReC(インフレック) フィーバースクリーニング(FS)シリーズ」の新たなラインアップとして,「F50SA-FS」を発売する(ニュースリリース)。希望小売価格は38万円~。
この製品は,同社が独自に開発したサーモカメラと,ソフトウェアを組み合わせた,国産スクリーニング専用モデル。超小型のサーモカメラは,解像度240×240,温度分解能0.05℃ながら,100gの軽量で取り回しが良く,市販のモニターやPCに取付けるなどして,さまざまな場面で使用できる。
サーモカメラに搭載された可視カメラで複数人の顔を自動検出し,独自のアルゴリズムで体表温度から体温を±0.5℃の高精度で推定する。体温計に近いわかりやすい温度表示が可能で,温度が任意に設定された閾値を超えると画面や音声で知らせる。これにより,従来は環境温度が変わるたびに調整が必要だったアラーム温度の閾値設定の手間を無くし,運用を自動化することが可能。
また,顔の位置のみを自動的に捉えることで,日射で高温になった毛髪や蛍光灯など背景の高温物による誤検知を減らすほか,ワイヤレス温度計との連携により,黒体炉を使用せずに温度精度を高めるオプションも準備している。
さらに,被験者がモニタの前に立つだけで 1秒以内に発熱の疑いの有無を判定する“静止モード”と,移動する人をリアルタイムに判定する “ウォークスルーモード”を搭載。さらに,被験者に判定結果を分かりやすく知らせる“被検者用画面”と,管理者が発熱者を見逃しなく監視するための“管理者用画面”を用意した。
被検者用画面では,初めて測定する人に発熱チェックを促したり,発熱チェック後の次の行動を表示したりするガイダンス機能を持たせた。管理者用画面では,アラームが発生した人の画像や温度をポップアップ表示したり,過去データの履歴を管理したりすることが可能。
被検者用画面と管理者用画面は必要に応じて切り替えたり,マルチディスプレーで2画面に表示したりできるため,セルフチェックによる運用で人員を削減したいケースでも,監視員がしっかりチェックしたいケースでも,目的に応じて最適な運用手段を選択できる。さらに,セキュリティーゲートや自動ドア,電子錠などの入場・入館・入室システムと容易に連動することができるという。