豊田合成は,同社が開発した深紫外LED技術を用いて,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への照射による不活化試験を認定特定非営利活動法人バイオメディカルサイエンス研究会と共同で行ない,高い有効性を確認したと発表した(ニュースリリース)。
試験は,深紫外線を一定時間照射後,ウイルスの不活化状況を測定する方法で行なった。その結果,5秒以内に99.999%以上のウィルスの不活化を確認したという。試験に用いた深紫外LEDは同社が販売する製品で,中心波長は275nm~280nm,出力は50~60mW級のものを用いた。
同社は長年にわたる青色LEDの開発・生産で培った知見を活かして,2017年から深紫外LED技術の開発を進めてきた。現在,この技術を水や空気などの浄化に広く応用を進めており,このLEDを使用した,ウイルスや細菌を除去する「深紫外LED光源モジュール」を開発した(ニュースリリース)。
その量産化の第1弾として,東京大学発スタートアップのWOTAが2020年11月から販売を開始する,水循環型のポータブル手洗いスタンド「WOSH」に,同社の「深紫外LED水浄化ユニット」が搭載された。
WOSHは水を内部で浄化・循環して繰り返し再生利用することで,店舗入り口や屋外など水道が使いにくい場所に設置し,水を提供できる装置。フィルターでのろ過・吸着や塩素での消毒に加え,深紫外線を照射することで高い浄水性能を実現するという。
同社はWOTAが発行する転換社債型新株予約権付社債を引き受け出資しており,今後も更に連携を深めていくとしている。