岩手大,無溶媒・攪拌で固体から光学活性材料合成

岩手大学の研究グループは,有機溶媒(有機溶剤)を用いない無溶媒触媒反応条件で過活動膀胱治療薬の重要中間体の合成に成功した(ニュースリリース)。

医薬品の合成には有機溶媒を使用するが,人体への有害性のため有機溶剤中毒予防規則で規制されている。また,環境汚染,可燃性による危険性,コストの増大といった問題もあるため,工業的合成ではいかに有機溶媒の使用量を低減させるかが重要となる。

しかし医薬品合成では高い選択性や反応性を達成するために,原料や触媒を有機溶媒に溶解させることが必須となっている。

今回研究グループは,コンピューター化学で設計した不斉金属錯体触媒を用いることで,有機溶媒無しに固体原料と触媒を従来式攪拌により混合させるだけで高収率・高選択的な光学活性医薬品中間体の合成に成功した。この成果により,環境負荷の低い医薬品工業的合成法の実現が期待されるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 熊本大、円偏光発光を示すキラルな無機結晶を発見

    熊本大学の研究グループは、無機バルク結晶として円偏光発光(CPL)を示すキラルカリウムユウロピウム塩を発見した(ニュースリリース)。 カリウムとランタノイドからなる硝酸塩K3[Ln2(NO3)9](Ln:ランタノイドイオ…

    2026.01.15
  • 京大ら,シリカのキラル光学信号発現と増幅起源解明

    京都大学と仏CNRS大学は,シロキサン環構造の立体配座に着目し,シリカのキラル光学信号の発現と信号増幅の起源を明らかにした(ニュースリリース)。 キラルな分子集合体を鋳型に用いたソルゲル法により合成されるシリカは,キラル…

    2025.09.01
  • 北大,バンドギャップ予測可能なペロブスカイト設計

    北海道大学の研究グループは,機械学習によってバンドギャップ(光吸収の指標)を精密に予測・設計できるペロブスカイト無機材料の開発手法を確立した(ニュースリリース)。 近年,マテリアルズインフォマティクスの発展により,機械学…

    2025.08.21
  • 阪大ら,新たなキラル対称性の破れ現象を発見

    大阪大学と大阪公立大学は,キラルなフェノチアジン誘導体のアキラル結晶が,分子のキラリティを反転しつつ単結晶性を維持したままキラル結晶へ構造転移する現象を発見した(ニュースリリース)。 キラル化合物は通常,鏡像の関係にある…

    2025.08.21
  • 科学大,非キラルな金属含有色素に強い光学活性付与

    東京科学大学の研究グループは,キラルなナノ道具を作製し,それを活用して非キラルな金属含有色素に強い光学活性を付与することに成功した(ニュースリリース)。 生体では,光学活性なアミノ酸からなる柔らかい脂肪族キラル空間を利用…

    2025.07.29

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア