ナイトライド・セミコンダクターは,コロナウイルスに有効な波長275nmの深紫外線LEDシャワーBOXを開発,販売を開始した(ニュースリリース)。価格は500万円(税抜,輸送費・設置費用別途)。
PCR検査の現場に於いて作業者は,二次感染を防ぐためにフェイスシールド,防護服,シューズカバーを検査実施毎に新しい物の交換する必要がある。また,これらは廃棄物として適切な処理が必要であり,物資不足という観点からも,再利用できる除菌システムの確立が急務となっている。
再利用を前提とした場合,従来のアルコールによるふき取り,次亜塩素酸水噴霧,オゾン噴霧といった除菌システムは,労力の問題以外に,除菌効果を高めると人体への悪影響が高まる上,残留液のふき取り,若しくは残留オゾンを換気する必要がある。また,N95マスク等不織布製品は,薬剤の噴霧で微粒子除去性能が劣化してしまう問題があった。
新製品は,深紫外線LEDの光シャワーで高い除菌効果を発揮。フェイスシールド,防護服,シューズを着用したままBOXに入って360度1回転することで,24灯深紫外線投光器が全身の隅々まで4分20秒で除菌する。
また,薬剤やオゾン等を使用しないので,作業者が吸い込む危険がなく,トリハロメタン等の発がん性副生成物や残留薬物は一切ない。薬剤の詰め替え等の手間がなく,電気代以外の費用は一切発生しない。設備も100Vコンセントの電源さえ確保すれば,空調ダクト工事,水道工事,電気工事等は不要。また排気がなく,ふき取り用ペーパータオル等の廃材が発生しないので,2次感染のリスクも避けられる。
波長275nmの深紫外線LED除菌灯は,コロナウイルス229E以外にも,インフルエンザウイルス,ノロウイルス,レジオネラ菌,大腸菌に対し高い除菌性能を検証済。サイズは高さ210cm×幅96cm×奥行61cmとなっている。