新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,再生可能エネルギーの主力電源化の取り組みを進めるため,太陽光発電に関わる新市場創造や長期安定電源化のための技術開発,先進的な共通基盤技術の開発を目的とした新規事業「太陽光発電主力電源化推進技術開発」で44件の技術開発テーマを採択した(ニュースリリース)。
この事業では,太陽電池設置環境の可能性を広げるために,新たな素材や製造方法に関した技術開発を行なうことで,建物壁面への設置や自動車への搭載など,新市場の創造を目指す。併せて太陽光発電設備の長期安定電源化のための技術や,先進的な共通基盤技術の開発についてもさらなる進展を目指すとしている。事業期間は,2020年度~2024年度。
研究開発テーマは,「太陽光発電の新市場創造技術開発」「太陽光発電の長期安定電源化技術開発」「先進的共通基盤技術開発」の3つ。
「太陽光発電の新市場創造技術開発」は,太陽光発電システムのさらなる導入を進めるにあたり,新たな設置場所・設置環境を開発するもの。具体的には以下の3領域において開発を進める。
(1)フィルム型超軽量太陽電池の開発(重量制約のある屋根向け)
(2)壁面設置太陽光発電システム技術開発
(3)移動体用太陽電池の研究開発
「太陽光発電の長期安定電源化技術開発」は,太陽光発電設備の安全性,信頼性に関する技術開発を行なうとともに,将来急増が懸念されている,太陽光発電設備の廃棄物を回避するためのリサイクル技術や,太陽光発電の導入拡大とともに課題となっている,電源系統への影響緩和技術の開発を行なう。具体的には以下の3領域において開発を進める。
(1)安全性・信頼性確保技術開発
(2)太陽電池モジュールの分離・マテリアルリサイクル技術開発
(3)系統影響緩和に資する技術課題の検討
「先進的共通基盤技術開発」は,「新市場創出」や「長期安定電源化」技術を支える測定評価技術や日射量予測技術など,先進的共通基盤技術の開発を実施する。具体的には以下の2領域において開発を進める。
(1)新型太陽電池の高精度性能評価技術の開発
(2)発電量の短期予測に向けた日射量予測技術の開発
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