ウシオ電機は,自動車部品やスマートフォン製造プロセスにおける接着・封止工程の前処理用として,172nm真空紫外光(エキシマ光)照射によって部品のドライ洗浄や親水化,接着性を向上させる「HPV-ST Series(HPV-ST)」の販売を,2020年8月から開始する(ニュースリリース)。
同社が1993年に世界で初めて製品化し,半導体や液晶パネル,電子部品製造プロセスで高いシェアを誇る「エキシマシリーズ」の最新・最小機種。特別な付帯設備なしで既存の製造ラインにそのまま設置できるため,最小限のコストで部品の洗浄や接着プロセスの課題を解決し,品質向上や歩留まり改善を実現するとしている。
この製品は独自のオゾン排気構造により,従来必須だった処理室構造を大幅に簡素化。同時に,ユーティリティーを電源・排気のみにすることで,ユーザーの設置,搭載負荷を大きく低減している。また,業界最大出力,最大露光量を実現する大型扁平ランプ「HPV Series」を踏襲。1灯あたりの露光量を増やすことで,少ない設置面積と設備投資で最大限のパフォーマンスを発揮するという。
さらに,高出力光源ながら,13kg以下で1人作業が可能な重量を実現。ランプ長手・奥行方向を従来製品比で40%サイズダウンしレイアウトの自由度が向上している。加えて,完全水銀フリーのため環境負荷が少ない上,瞬時にON/OFFが可能で,周囲温度に左右されないとしている。