京都セミコンダクターは,データセンター(DC)内,DC間で用いられる4値変調方式(PAM4)を利用する400Gb/s伝送システム向けに,40GHzと広い変調帯域を有するインジウムガリウムヒ素フォトダイオード「KP-H KPDEH12LC-CC1C」を開発した(ニュースリリース)。
現在は1レーン(線路)当たりの伝送速度25Gb/sを4つ束ねて100Gb/sとする伝送が主流となっているが,さらに,400Gb/sから800Gb/sへの拡大要求が市場に強いことを受け開発された。
この製品は,40GHzのPD変調帯域を実現するため,PDを搭載するキャリアの厚み,キャリア上に配置される高周波用電極パターンの幅・長さなどを電磁シミュレーションを用いて最適設計されている。その結果,PDの後段に搭載されるトランスインピーダンスアンプと一体の周波数帯域として400Gb/s伝送に必要な40GHzを実現しているという。
また,高周波的に最適設計されたキャリアに搭載され,光が入射するPD裏面には集光レンズが形成されている。そのため入射光が効率的に光吸収領域に集められ,入射光を供給する光ファイバーとPDの位置合わせが容易になるという。さらに,PDチップは面積的に約2倍の大きさがあるキャリアに搭載されているため,取り扱いも簡単になるとしている。
2020年11月に量産開始を予定。同社では,本格的な5G時代,またその先に向けて,拡大を続ける伝送システムの高速化,大容量化への要求に応えていくとしている。