アルミニウム圧延メーカーのUACJと名古屋市立大学は,銅が持つ抗菌効果を医療現場へ応用する産学共同研究を行ない,銅の抗菌効果を有する透明フィルムを開発した(ニュースリリース)。
開発した銅のフィルムを用いて,黄色ブドウ球菌および大腸菌に対する抗菌効果を調べたところ,銅フィルム上では黄色ブドウ球菌は50分以内に,大腸菌は30分以内に死滅した。一方,銅を付着しないフィルムでは細菌の減少効果は認められなかったという。
一般的に銅は銀と同様に高い抗菌作用を有していることから,古くから生活用品や工業製品にも使用されてきた。今回,研究グループが共同開発した銅の透明フィルムは,フェイスシールドやパソコン用キーボードのカバー,医療機器の操作パネルカバーなどに広く応用が可能で,医療現場における細菌やウィルスの接触感染拡大の防止への効果が期待されるとしている。
今後,研究グループは,他の細菌やウィルスへの効果検証を実施し,このフィルムを医療現場だけでなく,介護や保育など他の現場への導入を目指していくとしている。