カンタム・ウシカタは,デンマークのUVD Robotsが開発した病院内自律走行型紫外線消毒ロボットの国内販売を開始した(ニュースリリース)。
院内感染の原因となるノロウイルスやサルモネラ菌,エボラウイルスなどをDNA構造の破壊による99.99%の殺菌能力を確認しており,新型コロナウイルスへの効果にも期待を寄せる。これまで人の手によって行なっていた院内施設の消毒を,ロボットを介して行なうことで省人・省力化を可能にする。
UVD Robots は開発にあたり,デンマークのグループ会社が保有する高精度ロボット制御技術について,デンマークのオーデンセ大学病院と研究を進めてきた。作業者は院内などの消毒箇所をマッピングするだけで,ロボットが自律走行によって消毒を開始する。自動走行制御にはSLAM(Simultaneous Localizationand Mapping)を採用。UV光源はランプで,波長は254nmとなっている。
UVD Robotsによれば,効果的な消毒を行なうには,UV-C照射量と照射距離がポイントになるとする。消毒可能範囲は360°だが,消毒対象物に対して近距離で照射することでその効果が発揮されるとしている。そのため,照射位置情報の制御が重要となる。消毒時間は25m2の範囲を約10分で完了する。
UVD Robots製のUV-C殺菌ロボットは普及している一方,新型コロナウイルスの影響下で欧米及び中国市場で需要が急激に増加,中国からは2,000台以上の発注があるという。
カンタム・ウシカタでは,このUV-C消毒ロボットの国内販売について,医療機関のみならず,空港や港湾,文教施設などへの販路拡大を図るとしており,日本市場において年間200台程度の販売を計画している。
院内感染の対応策は喫緊の課題となっているが,その対策においてかかる経済的負担は大きくなる。UVD RobotではUV-C消毒効果とともに,自律走行型ロボットの導入による経済的効果も検証しており,そのアドバンテージを示しているという。