バンドー化学は,発光ダイオード(LED),レーザーダイオードなどの光半導体向けで,ダイやサブマウントの低温焼結接合が可能な銀ナノ粒子接合材「FlowMetal(フローメタル)」の販売を開始した(ニュースリリース)。
光半導体業界においては,従来の照明用途に加えて,大出力光源を用いた様々な産業機器用途の光デバイスについて,LED,レーザーダイオード化が進んでいる。
特に紫外線LEDについては,発熱量も多く,熱対策が不可避であることから発光素子の接合材にも高熱伝導性が求められている。このため,同社は,コア技術であるゴム材料や樹脂材料の分散技術を応用した銀ナノ粒子と分散剤の配合設計によって,無加圧での低温焼結性と焼結層の緻密性・高熱伝導率を両立した銀ナノ粒子接合材「FlowMetal」を開発した。
新製品の特長は以下の通り。
(1)従来品では分散剤を除去するために高温で加熱する必要があることが問題だったが,同社独自の配合設計により,無加圧での低温焼結性と焼結層の緻密性・高熱伝導率を両立している。
焼成温度:150~280℃
焼成後熱伝導率:140~250W/mK
(2)LED・レーザーダイオードのダイ,サブマウントのほか,Si(シリコン),SiC(シリコンカーバイド)等のパワー半導体チップ接合のはんだ代替,パッケージ接合のAuSn(金すず)はんだの代替としても使用が可能。
・銀ナノ粒子接合材「FlowMetal」
分散剤で被覆された銀ナノ粒子と溶剤からなる低温焼結型接合材。銀ナノ粒子はナノサイズ効果により,銀固有の融点(約962℃)よりもはるかに低い温度で焼結する。焼結後は銀固有の融点に戻るため,接合材として高い信頼性を発揮する。