北陸先端科学技術大学院大学(JAIST),仏 国立科学研究センターの研究グループは,三種類の機能性分子(近赤外蛍光プローブ,抗ガン剤,腫瘍マーカー認識分子)をグラフェン表面上に一度に化学修飾することに成功した(ニュースリリース)。
グラフェンとは,炭素原子だけで構成される二次元シート状のナノ炭素材料。厚さが炭素一個分に相当し,炭素原子が蜂の巣のような六角形に連結した構造を持つ。優れた電気伝導性,熱伝導性,機械的強度,化学的安定性などを持っており,幅広い分野での応用が期待されている。
今回の研究は,グラフェンに様々な機能性分子を一度に化学修飾できること,そしてその合理的な分子設計に基づいた効果的なガン分子標的治療技術への応用の可能性を示した。今後は,この技術を応用して,マウスやラット等の実験動物の体内における抗ガン作用を詳細に調べていく予定としている。