浜ホト,非破壊検査向けX線TDIカメラ発売

浜松ホトニクスは,エネルギーの低いX線を高感度に検出する新たな手法を採用することで,低エネルギーX線に対する感度を高めたX線TDIカメラ「C15400-30-50A」を開発し,4月22日から国内外の検査装置メーカに向け販売を開始する(ニュースリリース)。価格は330万円(税抜)。

TDI(Time Delay Integration)とは,移動する物体を高速かつ高感度で撮像できる特殊な信号読み出し技術のこと。

この製品により,薄いアルミシートなどの薄物や,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をはじめとする軽元素素材の透過画像を高コントラストで撮像でき,食品や工業製品などのインライン非破壊検査の精度が向上することが期待されるという。

同社はこれまで,インラインでの食品検査などの用途に,X線非破壊検査向けのカメラを製造,販売してきた。食品分野では,食の安心,安全への関心が高まっていることから,石や金属などの混入を防止するための異物検査や,品質の劣化を防止するための噛み込み検査など,X線非破壊検査の重要性が増している。

近年,包装材として薄物や軽元素素材を用いるなど,加工食品の多様化が進んでいるが,これらの包装材はX線を透過しやすいため,透過画像のコントラストが低いという課題があった。このため,エネルギーの低いX線に高い感度を持ち,薄物,軽元素素材の透過画像を高コントラストで撮像することで,高精度の検査ができるカメラへの期待が高まっていた。

今回,低エネルギーX線を高感度に検出する新たな手法を採用するともに設計を一から見直すことで,低エネルギーX線に対する感度を高めたX線TDIカメラの開発に成功した。

この結果,薄物や軽元素素材を透過しにくい低エネルギーX線による透過画像を高いコントラストで撮像でき,薄いアルミなどの食品包装材に噛み込んだ髪の毛などの微小な異物やアルミシートの厚みムラ,CFRPを用いた輸送機器部品の接着剤の塗りムラなどの検査精度が向上すると期待される。

また,高性能の当社製光検出器を採用し,信号の読み出し速度を従来の1.8倍まで高めたことで,効率よくインラインでの全数検査を行なうことができる。さらに,この製品は高エネルギーX線による透過画像も撮像できることから,複数の素材が混在する対象物に含まれる異物も同時に検査できる。

今後,市場からの要求に応じ,小型化や撮像できる範囲の拡大に向けた開発を進めていくとしている。

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